ごきげんよう、小川馨です。
今日はアニメ『宝石の国』を視聴した感想をお届けするわよ
💎『宝石の国』を見た感想・評価
当記事では、アニメ『宝石の国』を見て感じたこと、評価、そしてどんな人にオススメかを書いていきます。
結論から言うと——
この作品、想像以上に面白かった。
正直、最初は「設定が難しそう」という理由で避けてたの。でも、いざ見てみたらその不安は杞憂だったわ。これは間違いなく“見て損なし”の一本。
「どんなアニメも、まずは見てみることが大事よね」by. 小川馨
ネタバレにはならないよう細心の注意を払いますが、
人によってはネタバレだと思う可能性があります。
ご注意くださいませ。先を読む際は、自己責任でお願いします。
こんな人にオススメ
- 宝石という存在にロマンを感じる人
- 美しい映像美と独特の世界観を堪能したい人
- 派手なアクションが好きな人
- 『鬱展開』が好きな人
- 『メイドインアビス』『まどマギ』のような作風が刺さる人
特に最後の2つにピンときた人は、高確率でハマると思うわよ!
宝石の国とは、どんな作品?
今から遠い未来。地上の生物が海に沈み、海底の微小な生物に食われて無機物となり、長い時間をかけて結晶となった宝石生命体、のような存在が生まれた。その宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人(つきじん)に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。漫画界で最も美しい才能が描く、戦う宝石たちの物語。
今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。 「このマンガがすごい!2014」オトコ編第10位にランクイン!!
Amazon『宝石の国(1)』紹介ページより引用
あらすじ
宝石たちは、月からやって来る侵略者——月人と日夜戦い続けているの。
この世界の宝石たちは、たとえ体が砕けても終わらない。
砕けた破片を集めて、繊細に継ぎ接ぎすれば、また元の美しい姿に戻れるのよ。
一見すると、ここには「死」なんて存在しないように見えるわ。
でも現実は、もっと残酷。
体が欠けるたびに、少しずつ失われていくのは記憶。
かつての自分を形作っていた大切なものが、静かに削ぎ落とされていくの。
そして、最悪の瞬間が訪れることもある——。
それは、「全てを月人に奪われてしまった時」。
その瞬間、もう破片を集めることも、繕うこともできない。
彼らにとって、それが本当の死。
だからこそ、宝石たちは命を懸けるのよ。
仲間を守り、自分自身の存在を繋ぎ止めるために。
砕ける恐怖を抱えながらも、今日も美しく戦い続けるの。
「何者でもない」フォスフォフィライト

でもね、主人公のフォスフォフィライト(フォス)は、そんな宝石たちの中でも特別に脆い存在なの。宝石達には、硬度と呼ばれる硬さがステータスとしてあるのだけれど、フォスの硬度はたったの「3」。ちょっとした衝撃で体が砕けてしまうほどで、とてもじゃないけど戦いには向いていない。
…かといって、他の仕事も上手くいかないのよね。持ち前のドジっ子気質が災いして、何をやっても失敗続き。
結果、フォスには一人だけ役割がない。仲間たちが戦い、護り、支え合う中で、ひとりだけ「何者でもない」まま取り残されている。でも、物語はここから動き出すの。何者でもないフォスが、“何者か”になろうと足掻く姿こそが、『宝石の国』の核心なのよ。
見どころ①『魅力的な宝石達』
金剛先生——父のように優しく、僧侶のように静謐
『宝石の国』でアタシが一番心を奪われたのは、やっぱり個性豊かで魅力的な宝石たち。その中でも、特にお気に入りなのが金剛先生なのよ。

名前に“先生”とつくだけあって、宝石たちから深く慕われている存在。
皆の指導者であり、時には父のように包み込み、時には厳しく見守るそんな頼れるリーダーなの。
少しヌケてるところもあるんだけど、それがまた人間味(いや、宝石味?)があって愛おしいのよね。そして何より、彼が画面に映っているときの圧倒的な安心感が半端じゃない。美しい宝石たちがひしめく世界で、袈裟をまとい、静かに立つその姿。一言で表すなら、「カッコいい坊主」。
そして声。あの声がまた良すぎるの。
低く落ち着いたトーンが、聞くだけで心を洗われるような気持ちになるわ。
CV.中田譲治さんキャラが好きです(言峰綺礼とかアーカードとか)
もちろん、アタシのお気に入りは金剛先生だけじゃないわよ。
どうしても語りたい宝石達がいるのだけどその紹介は次の章でじっくりお話しするわ。
制作陣のこだわり——全編フルCGの挑戦
紹介の前に少し小話を挟ませてちょうだい。
CGWORLDのインタビュー記事によると、『宝石の国』では宝石の質感をアニメーションで完璧に表現するために、全編フルCGで制作する決断がされたの。
特に金剛先生や宝石たちの透明感・光の反射には、CGならではの繊細なこだわりが詰まっているわ。
この技術力が、この作品の美しさを一層際立たせていると感じたわね~
本作で最もこだわった点のひとつに、宝石の質感表現がある。本作に登場するキャラクターは、様々な宝石がモチーフとなっており、髪にそれぞれの宝石の質感が現れている。京極尚彦監督は髪の質感について「当初から、髪はキラキラしたクリアパーツが動いているようにしたいと考えていました」と話す。しかしリアルな宝石の質感を作画で表現することは困難であり、CGによる挑戦となった。とはいえCGであっても、セル調の作品に共存させる宝石の質感づくりは一筋縄ではいかない難しさがある。そこで2015年秋の企画初期から山本健介VFXアートディレクターがルック開発に参加し、宝石の髪の試行錯誤が始まった。
TVアニメ『宝石の国』制作秘話~フォスを例に紐解く宝石の髪の質感づくり篇~ 執筆:佐藤平夥
美しくも優しい「ダイヤモンド」
そして、アタシが『宝石の国』で一番「美しい」と感じたのが、ダイヤモンド。
その名の通り、作中で最硬の「10」を誇る、まさに最強クラスの宝石。

硬ければ硬いほど戦いに有利なこの世界で、彼女の存在は圧倒的。
でもね、そんな“最硬”というスペックに反して、ダイヤモンドの性格はとても温厚なのよ。
それどころか、恋愛話が大好きな一面もあってこのギャップがたまらなく愛おしい。
『宝石の国』は、ときに殺伐とした空気が流れる場面が少なくない。
だけど、そんな中でダイヤモンドが見せる柔らかな微笑みやのほほんとした振る舞いは、すごく癒やしだったわ。
ダイヤモンドと比べると、フォスは本当に柔らかいわね
こだわり抜かれた美麗モデルが『生きている』
『宝石の国』では、徹底的にこだわり抜かれた美彩な宝石たちのモデルが、
実際に動き、喋り、そして感情を宿しているの。
全編フルCGだからこそ表現できた、あの透き通るような輝き。
光が当たるたびに反射する色彩のグラデーションは、もはや宝石そのもの。
見ているだけで、思わず息を呑む美しさよ。
徹底したCG表現が生む“本物の宝石”の輝き
PVにもあるように、登場するのは硬度も性格も個性豊かな宝石たち。
強気な子、繊細な子、ちょっと抜けてる子…
どのキャラクターも唯一無二の輝きを放っていて、誰か一人には必ず心を奪われるはず。
この記事を読んでいるアナタも、きっと“推し宝石”に出会えるわよ
見どころ②『耽美かつ迫力満点のバトルシーン』
フルCGで蘇る、息を呑むバトルシーン
正直に言うとね、アタシ、原作漫画のバトルシーンを初めて読んだとき、
「ちょっと見づらいかも」って感じたのが本音なの。
でも、アニメ版は違ったわ。
原作のあの独特な空気感を崩さずに、むしろCGだからこそ可能になったダイナミックな表現がてんこ盛りだったの。
フルCGアニメということで、最初は少し不安もあったの。
なんて思っていたのに、気づけば夢中になって見入っていたわ。
美しさと緊張感が融合した月人との戦い
作中で宝石たちを襲う月人は、弓のような武器を使い、無数の矢を放ってくるの。
その矢を、宝石たちは身体を翻しながら華麗にかわす——
このシーンがまた、一人ひとり避け方に個性が出ていて格好いいのよ。
砕け散る破片、光を反射する宝石の体、月人の冷たく不気味な美しさ。
すべてが計算され尽くしたアニメーションで、観る者の目を釘付けにするの。

動の強さを体現する宝石「ブラックダイヤモンド」ボルツ
特にバトルシーンで目を奪われたのが、ブラックダイヤモンドのボルツ。
金剛先生が“静の強さ”なら、ボルツはまさに“動の強さ”を体現する存在よ。
ボルツは宝石たちの中で唯一の多結晶体。もともとダイヤモンドというだけで硬度は「10」とトップクラスなのに、多結晶体であるがゆえにさらに割れにくい特性を持っているの。つまり、彼(彼女?)はダイヤモンド属の中でも最強クラスの耐久力を誇るのよ。
ボルツの魅力は強さだけじゃないわ。口調はぶっきらぼうで少し刺々しい。
けれど、その根底には「誰にも傷を負わせたくない」という仲間への深い想いがあるの。
その優しさゆえに不器用で、時には自分を追い詰めてしまう。でもね、その葛藤すらもボルツをより魅力的にしているの。
戦闘スタイルも唯一無二。
強靭な体を活かし、髪の毛を鞭のように操って武器化する大胆さ。俊敏な動きと冷静な判断で繰り広げられる戦闘シーンは、まさに圧巻。金剛先生が画面に映ると「安心感」を覚えるなら、ボルツが映る時は「躍動感」と「頼もしさ」が画面いっぱいに溢れるのよ。
序盤から全開のボルツ&ダイヤモンドのバトル
ボルツの戦闘シーンは、まさに一見の価値あり。序盤から大活躍してくれるから、最初から心を掴まれるわ。
そして忘れちゃいけないのが、先ほど紹介したダイヤモンドの戦闘。あの華麗で優雅な立ち回りも、個人的に大好きなポイントよ。
世界観にあった素晴らしいオープニング「鏡面の波」
ここまで作品内の見どころを語ってきたけれど、最後にどうしても触れておきたいのが、作品外の見どころ。
それは、世界観と完璧にシンクロしたオープニング。
儚さと力強さを纏うオープニング映像
オープニング映像は、まるで宝石そのもののよう。煌めく光、砕け散る破片、そして静かに再生される姿。
儚さと力強さが同時に存在する、『宝石の国』の世界観を余すことなく映し出しているの。
見ているだけで、あの切なくも美しい物語へと自然に引き込まれていくのよ。
最終話はオーケストラアレンジになっているわよ
まとめ
続きはあなたの目で
本当はもっと語りたい…。あのシーンも、このシーンも、あの宝石についても…!
だけど、ここから先はぜひあなた自身の目で確かめてみてほしいわ。
今からでも遅くない、2025年に観る『宝石の国』
アニメは2017年放送と少し前の作品だけど、今観ても全く色褪せないわ。
圧倒的な映像美と繊細で緻密な物語
これが何年経っても人を惹きつける理由だと思うわ
原作漫画はついに完結
市川春子さんによる原作漫画『宝石の国』は、2024年『月刊アフタヌーン』(6月号)でついに完結。
アニメは原作5巻あたりまでの内容だけど、ここから先の展開も、とにかく凄いの。
アタシ、記事を書くにあたって最終巻まで一気に読了したけど、何度胸がギュッとなったことか。
だからこそ願うのよ。
アニメ第2期、オネェとても待ってます!!
あのシーンも、このシーンも、アニメで観たい。
「あの宝石の声はどうなるんだろう」そんな想像が止まらない。
でもね。アニメにはアニメの良さ、原作には原作の良さがある。
ぜひ、市川春子先生の線、絵の綺麗さ、堪能してほしいわ。
さいごに
『宝石の国』は、その名に恥じない美しさと、壊れそうで壊れない強さを併せ持った物語。
もしあなたが少しでも興味を持ったなら、ぜひこの世界に飛び込んでみて。
見終わった暁には、宝石や天然石を自然と目で追う日々が待っていることでしょう。
2025年7月26日
小川馨